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アニメ「NARUTO疾風伝」第31話「継がれゆくもの」の感想。(その3)

この回を見終わってしばらくしてふと思ったのは、本編が「おっさん同士のおんぶ」まで進まなかったのは、「本編中でのインパクトの強いエピソードは先送りにして、今回はとりあえず、新しくしたオープニングとエンディングに注目してもらおう」という制作側の意図があったからじゃないか、ということでした(笑)。
いや、でも真面目な話、結構これ当たってる気がするんですが、どうなんでしょうね。

えーと、まず、前回までのエピソードにかかる感想なんですが、「戦いがひと区切りついた後、ナルトが大人相手に涙ながらに食ってかかる」ってシーンは、波の国での再不斬に対して以来だと思うのですが、ナルトが白に対しても我愛羅に対しても「オレに似てる」と思ったように、再不斬もチヨバアも、ナルトに残した印象って、意外と通じるものがあるんじゃないかって気がします。
ナルトにとっては、白も我愛羅も「苦しかった過去の自分を思わず投影してしまうような相手」でしたが、「その相手を更に追い詰めるような仕打ちを平然とする者」という意味では、再不斬もチヨバアも、その死の間際までは、似たようなものとナルトの目には映っていたでしょうからね。

チヨバアが蘇生忍術を始めるシーンの直前までのナルトは、チヨバアにあんまり良い印象は持ってなかったんじゃないかと思うのですよ。
だってチヨバアは、ナルトたちとの初対面では、大声を上げながらいきなりカカシに襲いかかってきましたし、ナルトが“人柱力”だと知る前は、“尾獣”がどれだけ危険な存在かということを、ナルトが聞いている場で散々言いましたし、「“尾獣”を抜かれた“人柱力”は死ぬ」というナルトにとってショッキングなことも、ナルトには何の心の準備もできていない状態で言いましたし……。
挙げ句の果てに、我愛羅の亡骸を前にしながら「少し落ち着け…」なんて言われた日には、そりゃナルトだって「うるせェー!!!」と言いたくなりますよね。

ナルトと違ってサクラは、チヨバアと組んでサソリと戦うプロセスで、チヨバアとの絆を深めることができましたし、まして読者は、ナルトのいない場面やチヨバアのいない場面までも読んでますから、「あー、この場に至るまでは、チヨバアもいろいろとつらいこともあったんだよなあ」と思えるようになってますが、ナルトにしてみれば、自分に言われたことや自分に起きたこと以外は知ったことじゃないわけですからね。

カカシがチヨバアの死を「忍らしい立派な最期だ」と言ったのを受けて、ナルトは「…うん…三代目のじいちゃんと同じだ…」と言ってますが、「チヨバアは、我愛羅を蘇生させるのと引き換えに死んだ」ってことを知るまでは、ナルトはむしろ、「こいつは何てひどいババアなんだ」と思っていたはず。
ナルトが「三代目のじいちゃんと同じだ…」と言った後、カカシが「そうだな…」と言ってますが、カカシは、チヨバアに対してナルトが持っていた印象が今変わったんだ、ということがわかったんでしょうね。
(そして、ここでカカシは、四代目のこともちょっとは思い出していたんじゃないかと、私は思いたい。)


ふと思ったのですが、我愛羅奪還のためカカシ班が木ノ葉を出立した後、綱手がそれを見送りながら、「成長とは不思議なもんだな」と言ってましたが、成長って何も、子供や若者だけがするもの、しなきゃならないものだとは限らないんですよね。
我愛羅奪還編って、いろんなメッセージが盛り込まれたチャプターでしたが、その中でも、意外と大きな、隠れたテーマは、「チヨバアの成長」だったんじゃないでしょうか。
チヨバアはもともとかなり高齢で登場し、大活躍した後もすぐに死んでしまったので、「成長」って面はわかりにくくなってますが。

例えば、三代目火影は若い頃からずっと里のために働き、弟子たちを育て、アスマの言葉を借りれば「里長としての役割を果たし」続けた末に、最後まで火影として戦い、壮絶な死を遂げましたが、チヨバアは三代目火影と違って、里の将来を見限って長年隠居していた後に出陣したわけですからね。
しかも、チヨバアは最初から「我愛羅を蘇生させなくては」と思っていたわけでは全然なく、あくまで「里抜けした孫サソリを始末するため」に、カカシ班に加わったはず。

でも、ナルトの言動、サクラの言動、カカシから聞いた言葉などに接するうち、当初の目的だった「サソリを始末する」という目的を果たした後も、「ワシにはまだ…やるべきことが…ある」という心境になっていったんでしょう。
テマリが言うには、「チヨバア様は里の未来などどうでもいいといつも言っていた」ということだそうですが、そのチヨバアが
「かつて…ワシのしてきた事は間違いばかりじゃった…」
「…しかし…最後になって正しい事がやっと出来そうじゃ」
「砂と…木ノ葉…これからの未来はワシらの時とは違ったものになろう…」
と言うようになったんですから、これは「成長」と言っていいと思います。

私は決してチヨバアと同世代ではないですが(笑)、ナルトの世代よりはるかにはるかに上であることは確かなので、「ナルト世代にばかり、成長することを押し付けたりせっついたりしてはいかんのだな」と思いました。
と同時に、「私より上の世代も、下の世代のあら探しばかりしていないで、自分自身が少しは成長してるのか、せめて退化はしていないだろうかってことも、たまには考えろよな」と思いました(というか、むしろこっちを強く思った(笑))。
ああそれなのにそれなのに、現実世界で私の知っているチヨバア世代とか“三忍”世代とかの人々と来たら、どうしてああも説教好きや自慢しいや嘘つきやパワハラ人間やモラハラ人間が多いのか……あああ(ってまた『NARUTO』の感想にかこつけて現実生活の愚痴か(笑))。


えー、では、他の感想を、時系列に並べてみます。

チヨバアが我愛羅の胸の上に両手を置いたのを見て、ナルトが「何をしてんだってばよ!」と叫んで近寄ろうとしますが、そのナルトを、サクラが無言のまま片手で遮るようにして止めたところは、アニメ新設の絵でしたが、あのサクラかっこよかった!
今までだったら、ああいう役割って、カカシがやってましたよね?
でも、今じゃもうサクラも、場合によっては、ああいう役割を違和感なく果たせるようになったんですね。
(まああの場合は、カカシは座り込んだまま動けなかったってこともあるんでしょうけど(笑)。)

チヨバアがサクラに言った「お前は今度は死にかけのババアではなく…自分の大切に思う者を助けてやれ…」という言葉、どう聞いたってサスケのことを意識した言葉だろうと思うのですが、チヨバア、いつサスケのことを察したんでしょう……あー、あれか?
サソリ戦で、サソリが大蛇丸の話題を持ち出した時、サクラがものすごい形相を見せた時か?
そしてサソリは、事切れる前に、サクラに、「大蛇丸の情報を掴みたかったら天地橋へ行け」という意味のことを言ってましたし、チヨバアは「大蛇丸の向こうに、サクラが本当に追っている誰かがいる」とわかったのかも知れませんね。

ナルトの心象風景の中の、木ノ葉メンバーが横一列にズラッと並んだところからナルトが抜け出し、走り出すあの数秒のシーン、アニメ「NARUTO」が始まった時の、初代のエンディングの「WIND」時の絵の雰囲気に似てませんでしたか?
画面全体の色が統一されてグラデーションがかけられているところとか、カラフルな蝶が1匹飛んでいるところとか、まだ背の小さいナルトが、緩やかな下り坂を前のめりになりながら必死に走っているところとか……。

で、我愛羅が目を覚ましたところ、感動的なシーンだってのはわかるんですが……砂忍、集まり過ぎだろあれ!(笑)
あんなに大勢の砂忍が里を離れたら、里の方がガラ空きだろうが!
砂の里の上層部たちは、「お前らそんなに大挙して里から出て行くな! 査定が下がっても知らんぞ!」と言わなかったのか、あるいは、言ったのに無視されたのか。
バキ、大変だなあ。
中間管理職の苦労を一身に引き受けてるよなあ(って、バキが中間管理職だと決めつけてるし(笑))。

ナルトが、我愛羅に駆け寄った砂忍の女の子たちにぶっ飛ばされて倒れ込み、「…そういやオレってばまだ下忍だってばよ…」と落ち込んでいるところを慰めるカンクロウの口振りがすごく優しかったのは、笑ってしまいました。
私はこの場面を原作で読んだ時、同時進行で「NARUTO」のDVDも観ていたのですが、その時はまだ、原作の第1部を最後までは読んでいなかったのですよ。
で、DVDの方はちょうど“木ノ葉崩し”でカンクロウとシノが森の中で戦っているところだったので、「へー、カンクロウってのちのちはこんな優しい奴になるのか」と驚いた覚えがあります(笑)。

エビゾウが、チヨバアの死に顔を見て「安らかな顔をしておるよ…」と言った後、サクラが涙声に「ハイ…」と言っていたのには、こっちもちょっと泣きそうになりました。
アニメではサクラ、トーンを変えて2回「ハイ…」って言っていたあたりが、特に……(涙)。
サクラが座ってチヨバアの亡骸を抱きしめている前にナルトと我愛羅が立ち、我愛羅が「皆 チヨバア様に祈りを」と言った後、主だったメンバーが目を閉じるところが、1人ずつか2人ずつ描き足されていたのは良かったです。
和楽器の幽玄な音楽が流れ、引きの絵になったラストシーンなんて、まるで大河ドラマのラストシーンのような重厚さでした。
たまにはああいう終わり方もいいんじゃないでしょうか。
やっぱりあの後に、デイダラの「ボコボコ、プハッ」とか、「おっさん同士のおんぶ」とかが続いたら、私の頭では切り替えができず、ついていけなかったと思うので(笑)。


さてエンディングですが。
手前にちょこちょこ出てくる、3頭身くらいの絵を消したら、あれってサイのプロモビデオじゃないですか……あるいは、アイドルの写真集のおまけとしてついているCD−ROM(この言葉も最近聞かないな)の映像とか(笑)。
今年残された木曜日って、今日を含めてあと9回しかないですが、その9回のうち、多分2回くらいは放送休止でしょうから、堪能しておきましょう(笑)。


おまけコーナー(思い出写真館)は、砂の三姉弟出演でしたね。
カンクロウ、自分の写真が少ないと言って嘆いていましたが、テマリの撮ったカンクロウの写真は少なくても、里の女の子たちの間には、カンクロウの写真の方をいっぱい持っている子もいるはずだから、そう落ち込むな!


ところで、今回のサブタイトルは「継がれゆくもの」でしたが……。
ナルトや我愛羅には、チヨバアの遺志が確かに「継がれゆくもの」になったのでしょうが、その一方で女性視聴者たちには、オープニングの「サスケ、蛇に巻かれて磔刑状態の絵」の方が「語り継がれゆくもの」になりそうだ、と思いました……(笑)。


アニメ「NARUTO疾風伝」第31話「継がれゆくもの」の感想。(その2)
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アニメ「NARUTO疾風伝」第32話「風影の帰還」の感想。
に進む



テーマ:NARUTO - ジャンル:アニメ・コミック


この記事に対するコメント

みつかさん、こんばんは〜。

バレーから帰って、お風呂入って、缶ビール片手にお邪魔させていただいてます。

先週放送分の第31話だけで、これだけ書けるみつかさんって・・・すごいっ!
私もチヨバアって始めの頃、ヤなババァだなぁ、って思いましたよ。ナルトの前でそれ言う・・・?って。デリカシーなさすぎ〜!って思える言動がたくさんあったし、私の大好きなカカシにはいきなり襲い掛かるし・・・!でも、どこか憎めないキャラだったように感じます。確かにこの回までで一番成長したのはチヨバアでしょうね。あのお年で“成長”と言って・・・いいんですよね?それとも“目からうろこ”・・・?大抵アレくらいのお年の方は、頑固で「若造が、何生意気なことを言ってんじゃ!」ってカンジで、自分の考えをそう簡単には変えないってのが相場なのに・・・。仮にその“若造”の言うことを「確かにそうかも・・・」と心で思っても口惜しいのか口に出さないし〜!(これ以上書くと我が家の嫁姑の関係がバレそう・・・)
私は、我愛羅が目を覚ましたシーン、セピア色のナルトの心象風景から現実へと移行するところ、もっとスローでもよかたんじゃないかって思いました。え?もう我愛羅目を開けてるの?って感じてしまいました。我愛羅がゆっくりと目を開けて、ゆっくりと現状を把握してほしかったなぁ。・・・って先週観たときには思いましたが、今もう一度観なおしてみたら何の違和感もなかったので、自分でも「あれっ?」って拍子抜けです(苦笑)
それと、チヨバアが「チャクラが足りぬ・・・」と苦しそうに肩で息をしているところに流れてきた音楽が印象に残りました。弦楽器、多分中国の胡弓を意識した音で(ヴァイオリンでも出せないことはないなぁ)琴や尺八の音色も加わって、今までにないタイプのメロディでしたよね。あの草原のイメージに合っていたし、次に流れてきた(こちらは完璧にヴァイオリンでしたが)音楽といい、この回は音楽が良かった!音楽が創り出す効果ってすごいですよね!
それと、確かに砂忍、集まりすぎ!(笑)私もみつかさんと同じ事をつぶやきながら観ていたので、これ読んで笑ってしまいました。

では、今から今日のナルト、観ま〜す。
カカシとガイの「おっさん同士のうざいおんぶシーン」見れるかな〜。子供達は「トビの声がなんかヘン〜」「イメージじゃな〜い!」「お笑いの人みたい〜」と言っていましたが・・・?だから〜ナルトに関しては私が観る前に感想は言わないでって言ってるじゃんよぉ・・・。(わがままな母ですね)

【2007/10/25 23:11】 URL | MEG #-[ 編集]

MEGさんいらっしゃいませ!
我愛羅奪還の任務の中でナルトが森の中をビュンビュン跳んでいるのって、「ナルト、サクラ、カカシの3人のとき」「これにテマリが加わって4人になったとき」「砂の里に着いた後、テマリが抜けてチヨバアが入って4人になったとき」の3パターンがあったので、「○○が××にこの話をしたのって、どのパターンの時だっけ?」と、確認しつつ書きました。
ガイ班の方についても、考え出したらややこしいんだろうなあ。

我愛羅の周りに大勢の砂忍が集まっていたのは、原作では文句なしにいいシーンだったのに、アニメでは何だか怖かったですよ!(笑)
色が着いていたせいか、音声がついていたせいか、原因は何なのかはわかりませんでしたが……。
原作を読まないでアニメのあのシーンを見た人がもしいたら、「新手の敵に囲まれたのか」と思うかも知れないですよ、あのシーン。

我愛羅も、砂の里でデイダラと戦って意識をなくし、次に目覚めた時は、ナルトや砂忍たちに囲まれて草原にいたんですから、何が起きたのかわからないのが普通だと思うのですが、よくすぐに、「チヨバア様に祈りを」なんていう、あの場にぴったりな台詞が言えたなあ、とも思います(笑)。

トビの声は、原作でもう「トビ=うちはマダラ」が明かされた後ですから、そのギャップを強調するために、わざとお笑い芸人みたいなトーンにしたのかな、と思うのですが……「うちはマダラ」のときも、同じ人が演じてくれたらいいなあ。
かなり先のことになるでしょうが、今から楽しみです。
【2007/10/26 19:56】 URL | 管理人みつか #-[ 編集]


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