|
WJ25号『NARUTO』第400話「地獄の中で」の感想。(その1)
今週も、マダラのソロステージは続きます……。 そういえば先週の土曜日、イタチ役の石川英郎のバンドのコンサートが東京であったんですよね。 (バンドメンバーには、シカマル役の森久保祥太郎もいるとのこと。 うーん、イタチとシカマルが一緒にバンド組んでるのか。 シカマルって、音楽には弱いんじゃなかったのか(笑)。)
私は行きたかったけど行けなかった……勉強会もどきの集まりがあって、4時間も缶詰め状態でした。 思い出しただけで酸欠になりそうです(って、私が行けなかった事情などはどうでもよろしい)。
コンサートといえば、石川英郎が、「ラジオのおもしろ企画コーナー」みたいな場で無理やり歌わされるんじゃなく、歌手として本気で歌う歌を(別の作品のCDで)聴いたのですが、歌声は意外と地声に近いです。 イタチの声はあれ、かなり作り込んでますよ石川英郎。
(ああWJ本編の感想に全然入れない。)
さて、今週は、「作家より、プロデューサーが前面に出て構成した回」って印象がすごくするんですけど。 「マダラが語るうちはのお家事情については、ここ数年のファンサイトやファンブログをざっと巡回して、多数決でシナリオを決めよう」 「(大人の女性の)読者たちの中の最小公倍数(=サスケはずっとイタチの最愛の弟であり続けたんだ、ということ)はやっぱりこの辺できっちり拾っておこう」 みたいな感じがしてしまって……。
あまりにもきれいに、ファン(それもイタチファン)の思惑に、非の打ち所がないほど完璧に応えてくれた、というような展開で、かえって拍子抜けというか、ほんのちょっとあざとい感じさえするんですが……言い過ぎですかね私(笑)。
だって、「イタチはなぜサスケに自分を恨ませ、憎ませたのか」のあたりなんて、あれ、ファンの間では半ば「解決済み」みたいなネタだったでしょう。 そりゃ、原作で公式に描かれた重みはすごいものですが、私は、読んでいて強烈なデジャヴというか、「え、これってまだ公式にちゃんと描かれてなかったんだっけ?」というような感覚を覚えてしまいましたよ……。 まあ、第1部からのイタチの言動をもとにして「意外な展開」を予想するとしたら、ああいうプロットしかあり得ないんですけどね……。
(今気づいた、あざといのは、ストーリー展開じゃなく、(大人の女性の)読者にウケるのを見透かしているかのような、マダラのあの言葉の選び方、あの話の構成、あの語り口だ(笑)。 そして、見事に「見透かされた」側としては、「あざとい」と遠吠えすることくらい、許して欲しいです(笑)。)
惜しむらくは、うちはのお家事情を語ったのが、まだ謎だらけのマダラであるため、クーデターとかイタチの任務とかの点については、(疑り深い読者としては)いまいち全身全霊では納得できないってことかなあ……。
皆さんも、『NARUTO 巻ノ42 (42) (ジャンプコミックス)』及びその後のWJ(こっちは保存してあれば)を読んでから、今週の分をもういちど読み返してみてください。 マダラがサスケに語ったイタチ像は、今までの読者の希望的予想や希望的推測を、底引き網のようにごっそりさらって回収していってくれましたが、イタチがサスケに語ったマダラ像は、未だにわからないことや、矛盾だらけですよ。
例えば、マダラがその弟の眼を引き継いだ経緯とか、「(イタチにとってマダラは)相棒であり師であり不滅の男」ってどういう意味だったのかとか、何でイタチはマダラのことをサスケに「…マダラは生きている 信じる信じないはお前次第だ」などという言い方をしたのか、とか。 (あ、「相棒であり師であり不滅の男」という言葉については、もし一族皆殺しのことについて言っているのなら、回りくどくもすごく悲しい表現なんですけどね……。)
イタチの任務について、マダラの言ったことが本当だとしたら、イタチは里のため、たった12歳か13歳そこらで、あれだけのタフ・ネゴシエーターぶりを発揮した、ってことですよね。 里の任務を受け入れたこととは別に、マダラと(悲しい)取引をし、三代目にサスケの身の安全を頼み、ダンゾウを脅し、自分は姿を消し……何だかイタチが、『三国志演義』の貂蝉(ちょうせん)に見えてきました……(注:貂蝉は女です(笑)。架空の人物ですが、古代中国四大美人の1人です)。
マダラの言葉をそのまま借りれば、里からイタチへ下された任務が「一族を殺した犯罪者として、汚名を背負ったまま抜け忍になること」なのだったとしたら、抜け忍になった後のことは、特に指示されていなかったんでしょうね。 この過酷な任務を下した側とすれば、まさか、「里の再度の一大事には戻ってきて、里のために働いてくれ」とは言えなかっただろうし……はっきり言えば、「里とうちは一族の秘密を抱えたまま、自ら命を絶って欲しい」くらいのこと、思っていたでしょう。
イタチも、心情的にはそうしたかったかも知れないですが、そうはしなかった、ってより、できなかった。 理由は主に二つ。 一つは、時を待って、いずれサスケに自分の瞳力を与えなきゃならなかったから。 もう一つは、サスケがダンゾウなどものともしないほど強くなるまで、ダンゾウを脅迫し続ける必要があったから。 (そうか、ゆすりを続けるには、何よりも自分がしぶとく生き残る必要があるわけだな。命あっての脅迫。←悪知恵はよせ(笑))
マダラ曰く、里の上層部は、イタチの「争いを好まない、平和を愛する」「一族というしがらみにとらわれることなく、里を愛する」というところにつけ込んだそうですが、結果的にはそれを逆手に取られて、「根絶やしにしようとしたうちはの者を、最低限、1人だけは生き続けさせなきゃならない」ってことになったわけですよね。 (うん、やっぱり、人の弱みにつけ込んで目的を遂げようとしても、たいていはこういう展開になるもんですよね。←今度は殊勝です(笑))
マダラの言葉を信じるなら、「里の平和と、自分の大切な肉親たった1人のため、自分自身はとんでもなく苦しい役割を引き受けた」って、ネジの父ヒザシを思い出すなあ。 サスケにとってはイタチって、父フガクと同じくらいかそれ以上に、「父性」を感じさせる存在でもあったんでしょうね。 目覚めろ父性!(←ネタが若干古い(笑))
マダラの真意がどこにあるのかはまだわかりませんが(何だかこんな言葉ばっかり使ってるなあさっきから)、自分の話をサスケに信じさせたいのは確かでしょうから、イタチとの対決を終えた直後の、バーンアウト状態のサスケを捕まえたのは、作戦としては上手いな。 剣道でも、「人間は、相手に大技を仕掛け終わった直後に隙ができやすいので、自分ではそこに注意しろ、そして相手のそこを狙え」と教えられたもんです。 この作品の中で、今週のラストのコマのサスケの表情ほど、「茫然自失」って言葉がぴったりくる表情を見せた者が今までいたでしょうか?
ふと思ったのですが、「うちはマダラ」って人物は、「うちはのお家事情のうち、サスケの知らない部分について語らせるには、どういう背景を背負った人物なら的確か、読者に無理を感じさせないか」って切り口から考えられ、作り出されたものだったのかも知れませんね。 「実はうちはには、もう1人生き残りがいた→そいつがサスケに、うちはのお家事情を語った」ではなく、「うちはのお家事情を、サスケと読者には明かす必要が出てきた→じゃあどういう設定にすれば、可能な限り『後出しジャンケンだ』『無理があるよ』という印象を読者に持たれず、うちはのお家事情が描けるか」という、逆の流れで。
思えば、「ナルトの出生、両親について」という重要なエピソードは、自来也と綱手が披露してくれましたが、あれは、ナルトを思う大人がナルトの周りにいっぱいいたから、そのうちの既出の人物が、その役割を担ってもOKだったんですね、きっと。 それに引き換え、サスケの場合、木ノ葉の里を出てしまった後は、周りには妙な大人しかいませんでしたから(笑)、サスケにまつわる重要なエピソードをそれらしく語るには、それなりの人物像を作り上げる必要があったんでしょうね。
マダラは、その役割をこなしてるかな? うーむ、ここまで信じ切れない読者(私のことです(笑))がいる以上、ちょっと荷が重いんじゃないの? (まあ、誰が出てきて何を言っても疑うんでしょうけど私は(笑)。)
「見落としていた!」と気づいたことが一つ。 前の号の感想で私は、<しかし、マダラが一族から裏切られて復讐者になったのなら、その憎悪の念は、木ノ葉の里よりはむしろ自分の一族に向けられそうな気もするんだけど、矛先は木ノ葉の里に向いたんですね。>なんて書いてたんですが、今週号のマダラが「千手の木葉にもうちはにも恨みがあったからな」と言っているのを見ると、マダラはちゃんと(という書き方もおかしいが)うちは一族のことも恨んでたんですね。 っていうか、イタチがサスケに「一族皆殺しの協力者はうちはマダラだ」と言った時点で、「マダラもうちはを憎悪していたのか?」と訝って然るべきでしたよね私も(汗)。
ただ、サスケが「一族皆殺しには協力者がいたはずだ」とイタチに聞いた時、イタチは一応「それはうちはマダラだ」と答えはしたものの、何だかあのあたりのイタチの言い方がいかにもどうでもよさそうで、「何だか、相変わらずサスケを適当にあしらってるなあイタチ兄さん」という感じが、どうしてもしてしまったのですよ。 だから私は、「一族皆殺しの協力者はうちはマダラ」ってことは、もしかしたら嘘なのかも、あるいはそれほど重要なことではないのかも、と思っていた……いったいどこまで疑り深いんだ私は……もしかして、疑り深いんじゃなく、ただ単に読解力がないだけなのか>私(笑)。
読解力に自信がなくなったので、もういちど今週の分を読み返してから、続きを書きにきます。(←その程度じゃ読解力は変わらないと思う(笑))
WJ25号『NARUTO』第400話「地獄の中で」の感想。(その2)に進む
テーマ:NARUTO - ジャンル:アニメ・コミック
|